top of page


【#聴く珈琲_春】2月の感想
2月は本当に、読み応えのある作品が多い月でした。 前回より2倍の作品数が集まりました。 春を目前にした空気、少し残る冬の匂い、そして“始まり”の気配。 珈琲という飲み物が、こんなにも多様な物語を抱きしめるのかと、改めて感じさせられました。 ▶2月の結果はコチラ「 【#聴く珈琲_春】2月 」 〇最優秀賞 「 父の背中と珈琲と 」 作: 北大路京介 様 @princekyo 読み終えたあと、静かに深呼吸をしたくなる作品でした。 珈琲を淹れる所作。 豆を量り、湯を沸かし、ゆっくりと注ぐ。 その一連の動きの中に、“父”が宿っている。 言葉は多くない。けれど、背中が語っている。 味の記憶は、人の記憶と結びついている。 そしてその記憶は、人生の節目でそっと支えになる。 3月、新生活が始まる季節。 多くの人の背中を押してくれる一作だと思い、最優秀賞に選ばせていただきました。 朗読になったとき、この“間”と“余白”がどう息づくのか。是非皆さまも聞いてみてください。 〇油屋賞 「 満たし、包んで 」 作:細雪 様 @lightsnow95 物語の舞台は、書
3月1日読了時間: 4分


『コーヒーでめぐる世界史』のススメ
一杯の飲みものが、世界を動かした。 コーヒーは嗜好品です。 しかし本書を読み終えたとき、その認識は静かに覆されます。 増田ユリヤ著『コーヒーでめぐる世界史』は、コーヒーを軸にしながら、宗教・革命・戦争・交易・植民地支配といった世界史の大きな流れを描き出す一冊です。 単なる文化史ではなく、「コーヒーが歴史を動かした」と言っても過言ではない事実が、丁寧な取材と平易な語り口で綴られています。 カフェが生んだ“議論の空間” 特に印象的なのは、カフェという場所の役割です。 17〜18世紀ヨーロッパに広がったコーヒーハウスは、単なる飲食店ではありませんでした。 新聞が置かれ、知識人や商人が集い、議論が交わされる「公共空間」。 フランス革命前夜、イギリスの市民社会の成熟、アメリカ独立へとつながる思想の広がり——そこには常に、覚醒を促す黒い飲みものがあったのです。 アルコールではなくコーヒーだった、という点が象徴的ですね。 酔わせるのではなく、目を覚まさせる。 感情を高ぶらせるのではなく、思考を研ぎ澄ませる。 コーヒーは「理性の飲みもの」として、近代社会の土台
2月25日読了時間: 3分


【12杯目】蔵の中で、黒い豆は目を覚ました
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 川の町で、珈琲は待っていた 」 蔵の猫、珈琲の時間。 12杯目 蔵の中で、黒い豆は目を覚ました ※この物語はフィクションです。登場する店は実在しません。 巴波川の朝は、音から始まる。 ゆるやかな水の流れ。 舟底が岸に触れる、低い木の音。 積み荷を下ろす人々の掛け声。 美里は、静かに言った。 美里 「……蔵三。
2月25日読了時間: 4分


【11杯目】川の町で、珈琲は待っていた
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 忙しい日でも、美味しく飲む方法 」 蔵の猫、珈琲の時間。 11杯目 川の町で、珈琲は待っていた 朝の空気が、少しだけ澄んでいた。 美里は窓を開け、遠くの音に耳を澄ませる。 美里 「……この町ってさ、 静かだけど、 どこか落ち着かない感じがするよね」 蔵三は、縁側に座ったまま、ゆっくりと尻尾を揺らした。 蔵三
2月25日読了時間: 3分


【#聴く珈琲_春】1月の感想
1月の「#聴く珈琲」には、店主として想像していた以上に、 静かで誠実な作品が集まりました。 日々、珈琲を焙煎し、淹れ、差し出す側にいると、 「珈琲そのもの」よりも、「珈琲のそばで過ごされる時間」のほうが、 強く記憶に残る瞬間があります。 今月届いた作品群は、まさにその時間を言葉にしてくれていました。 味や産地を語らずとも、湯気、体温、朝の空気、立ち止まる気持ちが描かれている。 それは、店で誰かがカップを手に取る一瞬とよく似ています。 1月という季節も相まって、無理に前へ進まず、 少しほどけることを許す作品が多かったことは、企画の始まりとしてとても象徴的でした。 店主として、この企画を立ち上げて良かったと、静かに実感しています。 ▶1月の結果はコチラ「 【#聴く珈琲_春】1月 」 〇最優秀賞 「ほどける」 作:Hiroki様 @Hirokipv5x 店主としてこの作品を読んだとき、真っ先に浮かんだのは「この時間に、うちの珈琲を置きたい」という感覚でした。猫の体温、冬の朝、湯気、指先の感触。そのどれもが、店で日々感じている“説明できない良さ”と重
2月1日読了時間: 4分


「#聴く珈琲」企画が始まりました。
「#聴く珈琲」という企画について 珈琲を飲んでいるとき、味や香りそのものよりも、その前後の時間のほうが、ふと心に残ることがあります。 湯気が立つのを待つ時間。カップを両手で包む仕草。一口飲んだあと、すぐに次のことを考えずにいられる、ほんの数分。 「#聴く珈琲」は、そんな時間にそっと寄り添う言葉を集めたいと思い、立ち上げた企画です。 なぜ朗読なのか 読む文章ではなく、あえて「聴く」文章を募集したのは、珈琲の時間が、何かを理解するための時間というより、考えすぎないための時間だと思っているからです。 声にして読むと、言葉にはリズムや間、息づかいが生まれます。その不完全さが、珈琲のある時間とよく似ているように感じました。 上手に書かれた文章でなくても構いません。静かに聴けること。邪魔をしないこと。それだけを大切にしています。 シーズン制について 「#聴く珈琲」は、春・夏・秋・冬のシーズン制で開催しています。 春は、はじまりの珈琲。夏は、夜と珈琲。秋は、記憶と香り。冬は、静かな時間。 テーマはあくまで方向性であり、守るためのルールではありません。書き手それ
1月26日読了時間: 2分


【10杯目】忙しい日でも、美味しく飲む方法
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 お湯の注ぎ方で、何が変わる? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 10杯目 忙しい日でも、美味しく飲む方法 朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。美里は布団の中で、今日の予定を思い出して小さく息を吐く。 ――今日は、忙しい。 キッチンに立ち、珈琲の袋を手に取ったものの、一瞬だけ、迷った。 美里 「今日は……ちゃんと淹れなくても
1月26日読了時間: 3分


【9杯目】お湯の注ぎ方で、何が変わる?
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 お湯の温度で味が変わる話 」 蔵の猫、珈琲の時間。 9杯目 お湯の注ぎ方で、何が変わる? ポタ、ポタ、と静かな音が台所に落ちる。 美里はドリッパーの上から、慎重にお湯を注いでいた。 美里 「……蔵三。これ、注ぎ方ひとつでそんなに変わるもの?」 蔵三は、少し離れたところからその様子をじっと見ている。 蔵三 「変わる
1月26日読了時間: 3分


【8杯目】お湯の温度で、味が変わる話
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 挽きたてが美味しい理由 」 蔵の猫、珈琲の時間。 8杯目 お湯の温度で、味が変わる話 やかんから立ち上る湯気を見つめながら、美里は温度計を手に取った。 美里 「蔵三……お湯の温度って、そんなに気にしなきゃダメなの?」 蔵三は、少しだけあくびをしてから答えた。 蔵三 「“気にする”のと“振り回される”のは、別の話じ
1月26日読了時間: 3分


【7杯目】挽きたてが美味しい理由
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 苦みの正体 」 蔵の猫、珈琲の時間。 7杯目 挽きたてが美味しい理由 朝の台所に、コリコリと小さな音が響いた。 美里はミルを回しながら、思わず笑ってしまう。 美里 「なんか……この時間、好きかも」 蔵三は足元で丸くなり、耳だけこちらに向けている。 蔵三 「音も香りも、珈琲の準備は五感を使うからな」 挽くと、珈琲は
1月26日読了時間: 3分


【6杯目】苦みの正体
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 酸味は、悪者なのか? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 6杯目 苦味の正体 夜が静かに更けていく。時計の音だけが、部屋に残っていた。 美里は、少し深煎りの豆を手に取りながら、ためらうように口を開いた。 美里 「蔵三……苦味ってさ、なんで“珈琲らしい”って言われるんだろう」 蔵三は、窓の外を見たまま答えた。 蔵三 「それはな、珈琲が“大人の飲み物”と呼ばれてき
1月26日読了時間: 3分


【5杯目】酸味は、悪者なのか?
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 浅煎り・深煎りって、何が違うの? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 5杯目 酸味は、悪者なのか? 夕方、仕事から戻った美里は、 少しだけ疲れた顔でソファに腰を下ろした。 いつものように珈琲を淹れようとして、 ふと、前に買った浅煎りの豆に手が止まる。 美里 「蔵三…… 正直に聞いていい?」 蔵三は、窓辺で丸くなったまま、片目だけ開けた。 蔵三 「うむ。 珈
1月20日読了時間: 3分


【4杯目】浅煎り・深煎りって、何が違うの?
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 焙煎すると、なぜ香りが出るのか 」 蔵の猫、珈琲の時間。 4杯目 浅煎り・深煎りって、何が違うの? 休日の朝。 カーテン越しの光が、いつもよりやわらかかった。 美里はテーブルの上に並んだ珈琲豆の袋を見比べながら、 小さく首をかしげた。 美里 「蔵三、この前から気になってたんだけど…… 浅煎りとか深煎りって、 正直、どう違うのか分からなくて」 蔵三は、
1月11日読了時間: 3分


【3杯目】焙煎すると、なぜ香りが出るのか
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 アラビカとロブスタ、味の違い 」 蔵の猫、珈琲の時間。 3杯目 焙煎すると、なぜ香りが出るのか 焙煎すると、なぜ香りが出るのか 朝の台所に、かすかな焦げたような、甘いような匂いが残っていた。 昨夜淹れた珈琲の余韻だ。 美里はケトルを火にかけながら、ふと思い出したように口を開いた。 美里 「ねえ蔵三。 この香りってさ…… どうして豆を焼くだけで、こ
1月11日読了時間: 4分


【2杯目】アラビカとロブスタ、味の違い
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 珈琲豆ってそもそも何? 」 2杯目 アラビカとロブスタ、味の違い 朝の空気が、少しだけ軽く感じられた。美里はカップを両手で包みながら、窓の外を眺めていた。 美里 「蔵三、この前教えてもらった“珈琲豆は種”って話、なんだかずっと頭に残ってるんだよね」 蔵三 「ほう、それは良い兆しである。珈琲は、気になり始めた時から、もう始まっておるのじゃ」...
1月2日読了時間: 4分


【1杯目】蔵の猫と、珈琲の時間。
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 はじめに 」 1杯目 珈琲豆ってそもそも何? ― アラビカとロブスタの違い ― 美里「ねえ蔵三、前から気になってたんだけど……“珈琲豆”って言うけど、あれって本当に豆なの?」 蔵三「ふふ、良いところに気がついたのじゃな。実は珈琲豆は“豆”ではなく、珈琲の実の中に入っている種なのである」 美里「えっ、そうなの!?じゃあ、どんな実なの?」 蔵三「珈琲の木になる
1月1日読了時間: 3分


蔵の猫と、珈琲の時間。― はじめに ―
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 はじめに 仕事に追われて、気づけば一日があっという間に終わってしまう。 そんな毎日の中で、ふと立ち止まる時間はありますか。 栃木市で暮らす美里も、少し前まではそうでした。 忙しさに追われ、気持ちに余裕がなくなっていたある日、 彼女は一匹の不思議な猫と出会います。 江戸時代の終わりに生まれ、明治の頃に珈琲の美味しさに目覚めた喋る猫―― 蔵三 。 「珈琲は、ただの飲み物ではないのじゃよ
1月1日読了時間: 2分


『理由がわかれば、もっとおいしい コーヒーを楽しむ教科書』のススメ
この本を一言で表すなら、「コーヒーを“正しく”ではなく、“楽しく”理解させてくれる教科書」だと思いました。 コーヒーの本というと、 ・専門用語が多くて難しい ・レシピ通りにやらないとダメな気がする ・読んでも結局「正解」が分からない そんな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。ですが本書は、その真逆をいきます。 「なぜ?」を丁寧にほどいてくれる構成 この本のいちばんの魅力は、 抽出方法や道具の説明よりも先に、“理由”を教えてくれること です。 なぜ湯温で味が変わるのかなぜ同じ豆でも淹れる人によって味が違うのか なぜ「失敗した」と感じる一杯が生まれるのか それらを、イラストと平易な言葉で、まるで隣で話してくれているかのように解説してくれます。 「こうしなさい」ではなく、「こういう仕組みだから、こう感じるんですよ」という語り口なので、読み手に余白を残してくれるのも印象的でした。 初心者にも、経験者にもやさしい 内容はとてもやさしいですが、決して浅くはありません。むしろ、日々コーヒーを淹れている人ほど「なるほど、だからか」と腑に落ちる場面が多い
2025年12月31日読了時間: 2分


年末年始休業と年明け営業再開のお知らせ
いつも油屋珈琲焙煎店 蔵の豆をご利用いただき、誠にありがとうございます。 誠に勝手ながら、当店は年末年始休業のため、 焙煎・発送業務を1月5日以降に再開いたします。 休業期間中にいただいたご注文につきましては、 1月5日以降、順次焙煎・発送対応をさせていただきます。 なお、年末年始は配送の混雑も予想されるため、 通常よりお届けにお時間をいただく場合がございます。 あらかじめご了承ください。 本年もたくさんのご縁をいただき、心より感謝申し上げます。 新年も、変わらぬ美味しさのコーヒーをお届けできるよう努めてまいります。 どうぞ良いお年をお迎えください。 油屋珈琲焙煎店 蔵の豆
2025年12月30日読了時間: 1分


店主の独り言:内緒の話。
栃木市の為に何かしたい、という店主の独り言です。
2025年12月3日読了時間: 3分
bottom of page