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#聴く珈琲 ブレンド ボイスドラマコンテスト2026 一次審査講評
「声から生まれる、一杯の物語。」 そんな言葉から始まった「#聴く珈琲 ブレンド ボイスドラマコンテスト2026」。 このたび、一次審査の結果を発表いたしました。 今回ご応募いただいた作品は、全58作品。 企画を立ち上げた当初、これほど多くの作品をお寄せいただけるとは想像していませんでした。 まずは、このコンテストを見つけてくださったこと。そして、限られた応募期間の中で作品を考え、仲間を集め、声を収録し、編集し、ひとつの「物語」として届けてくださったこと。 ご参加くださったすべての皆さまに、主催者として心より御礼申し上げます。 58作品から、11作品へ 一次審査を通過したのは、11作品です。 一次審査は、油屋珈琲焙煎店 蔵の豆 店主・油屋が、すべての応募作品を聴いたうえで選考いたしました。 本当に、最後の最後まで悩みました。 「この作品を残したい。でも、こちらの作品も捨てがたい」 そんなことを何度繰り返したか分かりません。 単純に音声作品として「上手い」「面白い」という基準だけで順位をつけられる企画ではありません。 なぜなら、このコンテストの先には
8月7日読了時間: 7分


【#聴く珈琲_秋】7月の感想
皆さま、このたびもたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。 今回から新たに始まった #聴く珈琲_秋。 秋のテーマは「香り」です。香りは目には見えませんが、一瞬で記憶を呼び起こし、人との時間や季節の景色まで思い出させてくれる、不思議な力を持っています。 そんな「香り」を、それぞれの感性で描いてくださった作品を、一つひとつ大切に読ませていただきました。 それでは、第1回目の結果発表です。 ▶7月の結果はコチラ「【#聴く珈琲_夏】7月」 〇最優秀賞 「香りが今日を連れてくる」 作:要よよ 様 「香り」が持つ力を、過去と現在、そして未来へとつなぐ一本の物語として見事に描き切った作品でした。 珈琲の香りをきっかけに、若かった頃の夫婦の時間が静かによみがえり、今という穏やかな日常へと自然につながっていく構成は非常に完成度が高く、最後にタイトルを回収する一文まで含めて美しくまとまっています。 読者それぞれにも「自分にもこんな香りの記憶がある」と思わせる普遍性があり、何気ない日常の尊さを描き切った点が印象的でした。今回のテーマ「香り」を最も自然
8月1日読了時間: 4分


焙煎・発送一時見合わせのお知らせ
いつも油屋珈琲焙煎店をご利用いただき、誠にありがとうございます。 現在、店主が感染症に罹患しているため、お客様に安心して商品をお届けすることを最優先に考え、焙煎および発送作業を一時的に見合わせております。 ご注文をいただいているお客様には、発送の遅延について順次個別にご連絡を差し上げます。 楽しみにお待ちいただいている皆さまには、ご迷惑とご心配をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。 体調が回復し、衛生面・安全面ともに問題なく作業できる状態になりましたら、改めて営業再開のお知らせをいたします。 なお、ご注文のキャンセルや変更をご希望のお客様は、お問い合わせフォームより遠慮なくご連絡ください。 何卒ご理解を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。 店主 油屋
7月15日読了時間: 1分


【#聴く珈琲_夏】6月の感想
このたびも #聴く珈琲 にたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。 夏のテーマは「夜の珈琲」。眠れない夜、誰かを想う夜、雨音に耳を澄ます夜、旅の途中の夜──。 同じ「夜」という時間を描きながらも、それぞれ異なる景色や感情が広がっており、選考は最後まで大変悩ましいものとなりました。 それでは、6月の受賞作品をご紹介いたします。 ▶6月の結果はコチラ「【#聴く珈琲_夏】6月」 〇最優秀賞 「ブラック&ミルク」 作:二宮白黒郎様 夜の静けさの中で描かれる親子の対話が、とても自然で心を打つ作品でした。 コーヒーの「ブラック」と「ミルク」を、父親と息子、それぞれの心情や距離感に重ね合わせた構成は見事です。ブラックコーヒーの苦味が人生の苦労や葛藤を、そこへ注がれるミルクが思いやりや許しを象徴しているようにも感じられました。 日常のひと場面だからこそ伝わる温もりがあり、読後には胸の奥がじんわりと温かくなります。 「夜の珈琲」というテーマを、人と人との絆を描く物語へと昇華させた完成度の高さを評価し、最優秀賞といたしました。 〇油屋賞 「静けさに
7月1日読了時間: 4分


営業再開のお知らせ
いつも蔵の豆をご利用いただきありがとうございます。 移転と引越しに伴い、長い間お休みをいただいておりましたが、本日2026年7月1日より営業を再開いたします。 お休みの間、ご不便をおかけした皆さまには心より感謝申し上げます。 新しい環境で少しずつ整えながら、また皆さまにおいしいコーヒーをお届けできるよう努めてまいります。 なお、焙煎の受付につきましては、準備の都合により7月8日以降から再開予定です。 焙煎をご希望のお客様には恐れ入りますが、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。 また、営業再開にあわせて「再開SALE」を行います。 コーヒー器具など一部商品を50%OFFにて販売いたします。 気になっていた器具がある方や、これからコーヒーを楽しみたい方は、ぜひこの機会にご覧ください。 ▶再開SALE⇒7月1日午後1時~7月7日17時 今後はギフト関係にも力を入れて参ります。 新しい場所での蔵の豆も、これまでと変わらず、一杯ずつ丁寧に向き合ってまいります。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 店主 油屋
7月1日読了時間: 1分


【#聴く珈琲_夏】5月の感想
今回の「#聴く珈琲 夏シーズン」では、前回以上に“夜”の描き方が深まっていたように感じます。 静かな孤独、誰かを想う時間、眠れない夜、自分と向き合う時間。同じ「夜のコーヒー」というテーマでありながら、作品ごとにまったく異なる温度や景色が存在していました。 また今回は、文章表現や構成に工夫を凝らした作品も多く、技巧的でありながら、その技巧を“夜の空気”として自然に溶け込ませている作品が数多く見られました。 コーヒーは、単なる飲み物ではなく、記憶を呼び起こし、感情を整理し、人を繋ぎ、自分自身と向き合うための時間として描かれていたように思います。 それぞれの夜に、それぞれの一杯がありました。今回も素晴らしい作品を届けてくださった皆さま、本当にありがとうございました。 ▶5月の結果はコチラ「【#聴く珈琲_夏】5月」 〇最優秀賞 「星を一つ、入れました」 作:ゆりなあと愉快な船様 夜の静けさと、コーヒーの苦味。その中に沈んでいた感情を、静かに掬い上げるような作品でした。 特に印象的だったのは、「苦い」という感覚を単なる味覚ではなく、“言えなかった気持ち”
6月1日読了時間: 3分


【お知らせ】1時休業について
いつも油屋珈琲焙煎店 蔵の豆をご利用いただき、誠にありがとうございます。 この度、引っ越しに伴いまして、 5月20日〜6月30日までの間、珈琲豆の焙煎および販売を一時休業させていただくこととなりました。 日頃ご利用いただいている皆さまには、ご不便をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。 少しのあいだ、環境を整えるためのお時間をいただき、 またあらためて、落ち着いた状態で焙煎を再開できればと思っております。 なお、#聴く珈琲 の募集や、地域の出店イベントへの参加はこれまで通り継続しております。 再開の際には、またこちらでもご案内させていただきます。 これからも、皆さまの暮らしの中にやさしい珈琲時間をお届けできるよう努めてまいります。 どうぞよろしくお願いいたします。 油屋珈琲焙煎店 蔵の豆 油屋
5月10日読了時間: 1分


【#聴く珈琲_夏】4月の感想
今回のテーマ「夜のコーヒー」には、非常に多様な解釈が寄せられました。 孤独や不安と向き合う時間としての夜、記憶をたどる時間としての夜、そして自分を整え直すための夜。 それぞれの作品が、コーヒーという共通のモチーフを通して、異なる“夜のかたち”を描き出していたのが印象的です。 特に評価のポイントとなったのは、コーヒーを単なる小道具に留めず、「物語の中でどのような役割を持たせているか」という点でした。 味覚、記憶、選択、時間の流れ——そうした要素と結びついたとき、作品は一段深みを増していたように思います。 またやはり評価の大きなポイントとなったのは、「珈琲を飲みながら聴く」ことを想定したときに、聞き心地がいいかという点でした。 どの作品にも、それぞれの夜と、それぞれの一杯がありました。 今回ご応募いただいたすべての作品に、心より感謝申し上げます。 次回もまた、新しい「一杯」と出会えることを楽しみにしています。 ▶4月の結果はコチラ「【#聴く珈琲_夏】4月」 〇最優秀賞 「独りの夜だから」 作:細雪様 @lightsnow95 深夜の公園に佇む自販機
5月1日読了時間: 5分


【#聴く珈琲_春】3月の感想
今回のテーマ「はじまりの珈琲」には、過去最多となる80作品ものご応募をいただきました。回を重ねるごとに作品数が増え、同時に一つひとつの完成度も高まっていることを、強く実感しています。選考もどれも甲乙付けがたく、激戦でした。 今月は特に、「家族」を題材にした作品が多く見られました。父、母、祖父母——身近な存在との関係の中にある“はじまり”が、珈琲というモチーフと丁寧に結びついていたのが印象的です。また、春という季節性から、卒業や進学、新生活といった人生の節目を描いた作品も多く、読後に静かな余韻を残すものが数多くありました。 一方で、ファンタジーや擬人化、音や感覚にフォーカスした作品も豊かに広がり、「はじまり」というテーマの解釈の幅の広さも際立っていました。 はじまりは、必ずしも明るいものばかりではありません。終わりとともに訪れるものもあれば、後悔や喪失の中から生まれるものもある。そんな様々な“はじまり”の傍らに、そっと珈琲が寄り添っている——そんな時間を共有できた、豊かな回となりました。 ▶3月の結果はコチラ「 【#聴く珈琲_春】3月 」 〇最優秀
4月1日読了時間: 5分


【#聴く珈琲_春】2月の感想
2月は本当に、読み応えのある作品が多い月でした。 前回より2倍の作品数が集まりました。 春を目前にした空気、少し残る冬の匂い、そして“始まり”の気配。 珈琲という飲み物が、こんなにも多様な物語を抱きしめるのかと、改めて感じさせられました。 ▶2月の結果はコチラ「 【#聴く珈琲_春】2月 」 〇最優秀賞 「 父の背中と珈琲と 」 作: 北大路京介 様 @princekyo 読み終えたあと、静かに深呼吸をしたくなる作品でした。 珈琲を淹れる所作。 豆を量り、湯を沸かし、ゆっくりと注ぐ。 その一連の動きの中に、“父”が宿っている。 言葉は多くない。けれど、背中が語っている。 味の記憶は、人の記憶と結びついている。 そしてその記憶は、人生の節目でそっと支えになる。 3月、新生活が始まる季節。 多くの人の背中を押してくれる一作だと思い、最優秀賞に選ばせていただきました。 朗読になったとき、この“間”と“余白”がどう息づくのか。是非皆さまも聞いてみてください。 〇油屋賞 「 満たし、包んで 」 作:細雪 様 @lightsnow95 物語の舞台は、書
3月1日読了時間: 4分


『コーヒーでめぐる世界史』のススメ
一杯の飲みものが、世界を動かした。 コーヒーは嗜好品です。 しかし本書を読み終えたとき、その認識は静かに覆されます。 増田ユリヤ著『コーヒーでめぐる世界史』は、コーヒーを軸にしながら、宗教・革命・戦争・交易・植民地支配といった世界史の大きな流れを描き出す一冊です。 単なる文化史ではなく、「コーヒーが歴史を動かした」と言っても過言ではない事実が、丁寧な取材と平易な語り口で綴られています。 カフェが生んだ“議論の空間” 特に印象的なのは、カフェという場所の役割です。 17〜18世紀ヨーロッパに広がったコーヒーハウスは、単なる飲食店ではありませんでした。 新聞が置かれ、知識人や商人が集い、議論が交わされる「公共空間」。 フランス革命前夜、イギリスの市民社会の成熟、アメリカ独立へとつながる思想の広がり——そこには常に、覚醒を促す黒い飲みものがあったのです。 アルコールではなくコーヒーだった、という点が象徴的ですね。 酔わせるのではなく、目を覚まさせる。 感情を高ぶらせるのではなく、思考を研ぎ澄ませる。 コーヒーは「理性の飲みもの」として、近代社会の土台
2月25日読了時間: 3分


【12杯目】蔵の中で、黒い豆は目を覚ました
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 川の町で、珈琲は待っていた 」 蔵の猫、珈琲の時間。 12杯目 蔵の中で、黒い豆は目を覚ました ※この物語はフィクションです。登場する店は実在しません。 巴波川の朝は、音から始まる。 ゆるやかな水の流れ。 舟底が岸に触れる、低い木の音。 積み荷を下ろす人々の掛け声。 美里は、静かに言った。 美里 「……蔵三。
2月25日読了時間: 4分


【11杯目】川の町で、珈琲は待っていた
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 忙しい日でも、美味しく飲む方法 」 蔵の猫、珈琲の時間。 11杯目 川の町で、珈琲は待っていた 朝の空気が、少しだけ澄んでいた。 美里は窓を開け、遠くの音に耳を澄ませる。 美里 「……この町ってさ、 静かだけど、 どこか落ち着かない感じがするよね」 蔵三は、縁側に座ったまま、ゆっくりと尻尾を揺らした。 蔵三
2月25日読了時間: 3分


【#聴く珈琲_春】1月の感想
1月の「#聴く珈琲」には、店主として想像していた以上に、 静かで誠実な作品が集まりました。 日々、珈琲を焙煎し、淹れ、差し出す側にいると、 「珈琲そのもの」よりも、「珈琲のそばで過ごされる時間」のほうが、 強く記憶に残る瞬間があります。 今月届いた作品群は、まさにその時間を言葉にしてくれていました。 味や産地を語らずとも、湯気、体温、朝の空気、立ち止まる気持ちが描かれている。 それは、店で誰かがカップを手に取る一瞬とよく似ています。 1月という季節も相まって、無理に前へ進まず、 少しほどけることを許す作品が多かったことは、企画の始まりとしてとても象徴的でした。 店主として、この企画を立ち上げて良かったと、静かに実感しています。 ▶1月の結果はコチラ「 【#聴く珈琲_春】1月 」 〇最優秀賞 「ほどける」 作:Hiroki様 @Hirokipv5x 店主としてこの作品を読んだとき、真っ先に浮かんだのは「この時間に、うちの珈琲を置きたい」という感覚でした。猫の体温、冬の朝、湯気、指先の感触。そのどれもが、店で日々感じている“説明できない良さ”と重
2月1日読了時間: 4分


「#聴く珈琲」企画が始まりました。
「#聴く珈琲」という企画について 珈琲を飲んでいるとき、味や香りそのものよりも、その前後の時間のほうが、ふと心に残ることがあります。 湯気が立つのを待つ時間。カップを両手で包む仕草。一口飲んだあと、すぐに次のことを考えずにいられる、ほんの数分。 「#聴く珈琲」は、そんな時間にそっと寄り添う言葉を集めたいと思い、立ち上げた企画です。 なぜ朗読なのか 読む文章ではなく、あえて「聴く」文章を募集したのは、珈琲の時間が、何かを理解するための時間というより、考えすぎないための時間だと思っているからです。 声にして読むと、言葉にはリズムや間、息づかいが生まれます。その不完全さが、珈琲のある時間とよく似ているように感じました。 上手に書かれた文章でなくても構いません。静かに聴けること。邪魔をしないこと。それだけを大切にしています。 シーズン制について 「#聴く珈琲」は、春・夏・秋・冬のシーズン制で開催しています。 春は、はじまりの珈琲。夏は、夜と珈琲。秋は、記憶と香り。冬は、静かな時間。 テーマはあくまで方向性であり、守るためのルールではありません。書き手それ
1月26日読了時間: 2分


【10杯目】忙しい日でも、美味しく飲む方法
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 お湯の注ぎ方で、何が変わる? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 10杯目 忙しい日でも、美味しく飲む方法 朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。美里は布団の中で、今日の予定を思い出して小さく息を吐く。 ――今日は、忙しい。 キッチンに立ち、珈琲の袋を手に取ったものの、一瞬だけ、迷った。 美里 「今日は……ちゃんと淹れなくても
1月26日読了時間: 3分


【9杯目】お湯の注ぎ方で、何が変わる?
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 お湯の温度で味が変わる話 」 蔵の猫、珈琲の時間。 9杯目 お湯の注ぎ方で、何が変わる? ポタ、ポタ、と静かな音が台所に落ちる。 美里はドリッパーの上から、慎重にお湯を注いでいた。 美里 「……蔵三。これ、注ぎ方ひとつでそんなに変わるもの?」 蔵三は、少し離れたところからその様子をじっと見ている。 蔵三 「変わる
1月26日読了時間: 3分


【8杯目】お湯の温度で、味が変わる話
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 挽きたてが美味しい理由 」 蔵の猫、珈琲の時間。 8杯目 お湯の温度で、味が変わる話 やかんから立ち上る湯気を見つめながら、美里は温度計を手に取った。 美里 「蔵三……お湯の温度って、そんなに気にしなきゃダメなの?」 蔵三は、少しだけあくびをしてから答えた。 蔵三 「“気にする”のと“振り回される”のは、別の話じ
1月26日読了時間: 3分


【7杯目】挽きたてが美味しい理由
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 苦みの正体 」 蔵の猫、珈琲の時間。 7杯目 挽きたてが美味しい理由 朝の台所に、コリコリと小さな音が響いた。 美里はミルを回しながら、思わず笑ってしまう。 美里 「なんか……この時間、好きかも」 蔵三は足元で丸くなり、耳だけこちらに向けている。 蔵三 「音も香りも、珈琲の準備は五感を使うからな」 挽くと、珈琲は
1月26日読了時間: 3分


【6杯目】苦みの正体
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 酸味は、悪者なのか? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 6杯目 苦味の正体 夜が静かに更けていく。時計の音だけが、部屋に残っていた。 美里は、少し深煎りの豆を手に取りながら、ためらうように口を開いた。 美里 「蔵三……苦味ってさ、なんで“珈琲らしい”って言われるんだろう」 蔵三は、窓の外を見たまま答えた。 蔵三 「それはな、珈琲が“大人の飲み物”と呼ばれてき
1月26日読了時間: 3分
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