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【1杯目】蔵の猫と、珈琲の時間。

更新日:1月11日


■ 蔵三(くらぞう)

江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。


■ 美里(みさと)

栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。


Illustration by 小日向真芽



前回のお話はこちら▶「はじめに


1杯目


珈琲豆ってそもそも何?


― アラビカとロブスタの違い ―



美里「ねえ蔵三、前から気になってたんだけど……“珈琲豆”って言うけど、あれって本当に豆なの?」


蔵三「ふふ、良いところに気がついたのじゃな。実は珈琲豆は“豆”ではなく、珈琲の実の中に入っている種なのである」


美里「えっ、そうなの!?じゃあ、どんな実なの?」


蔵三「珈琲の木になる赤い実を“コーヒーチェリー”と呼ぶのじゃ。その中に、たいてい2粒の種が入っておって、それを乾燥・焙煎したものが、私たちの飲んでいる珈琲豆なのじゃよ」




珈琲豆には“種類”があるの?


美里「じゃあ、その種にも種類があるってこと?」


蔵三「その通りである。珈琲豆にはいくつか品種があるが、世の中で流通しているのは、主にこの2つじゃ」

●アラビカ種


●ロブスタ種(別名:カネフォラ種)




アラビカ種ってどんな珈琲?


美里「よく聞くのはアラビカかな。それって、どんな特徴があるの?」


蔵三「アラビカ種は、香りがよく、味わいが豊かなのが特徴じゃ。酸味・甘み・コクのバランスが良く、フルーツのような風味を感じるものも多い」


美里「確かに、スペシャルティコーヒーって書いてあるのはアラビカが多い気がする」


蔵三「うむ。世界で飲まれている珈琲の約6〜7割はアラビカ種。“味を楽しむ珈琲”として愛されておるのじゃ」





ロブスタ種はどう違うの?


美里「じゃあ、ロブスタはあんまり美味しくないの?」


蔵三「そう思われがちじゃが、一概には言えぬ。ロブスタ種は、苦味が強く、コクが深いのが特徴じゃ」


美里「苦味が強いんだ」


蔵三「うむ。また、カフェインが多めで、力強い味わいになる。そのため、缶コーヒーやエスプレッソ用のブレンドに使われることが多いのじゃ」


美里「眠い朝には良さそうかも……」


蔵三「ははは、その通りである」




じゃあ、どっちを選べばいいの?


美里「初心者の私は、どっちを選べばいいのかな?」


蔵三「迷ったら、まずはアラビカ種100%の珈琲を選ぶとよいじゃろう」


美里「どうして?」


蔵三「香りがやさしく、味にトゲが少ない。“珈琲って美味しいな”と感じやすいからじゃ」


美里「なるほど……だから蔵の豆はアラビカ中心なんだね」


蔵三「うむ。珈琲は、気合を入れて飲むものではなく、暮らしにそっと寄り添うものであるからな」




珈琲豆を知ると、珈琲がもっと楽しくなる


美里「豆の違いを知るだけで、なんだか珈琲を選ぶのが楽しくなってきた」


蔵三「それでよいのじゃ。完璧に理解せずとも、“今日はどんな味にしようか”と考える時間こそが、珈琲の楽しみなのである」


美里「今日の一杯、ちょっと大事に飲みたくなったよ」


蔵三「それが一番の答えじゃな」





今日のお話が、あなたの珈琲時間を少しだけ楽しくするきっかけになれば嬉しいです。

それではまた、次の一杯のお話でお会いしましょう。



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