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【10杯目】忙しい日でも、美味しく飲む方法
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 お湯の注ぎ方で、何が変わる? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 10杯目 忙しい日でも、美味しく飲む方法 朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。美里は布団の中で、今日の予定を思い出して小さく息を吐く。 ――今日は、忙しい。 キッチンに立ち、珈琲の袋を手に取ったものの、一瞬だけ、迷った。 美里 「今日は……ちゃんと淹れなくても
1月26日読了時間: 3分


【9杯目】お湯の注ぎ方で、何が変わる?
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 お湯の温度で味が変わる話 」 蔵の猫、珈琲の時間。 9杯目 お湯の注ぎ方で、何が変わる? ポタ、ポタ、と静かな音が台所に落ちる。 美里はドリッパーの上から、慎重にお湯を注いでいた。 美里 「……蔵三。これ、注ぎ方ひとつでそんなに変わるもの?」 蔵三は、少し離れたところからその様子をじっと見ている。 蔵三 「変わる
1月26日読了時間: 3分


【8杯目】お湯の温度で、味が変わる話
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 挽きたてが美味しい理由 」 蔵の猫、珈琲の時間。 8杯目 お湯の温度で、味が変わる話 やかんから立ち上る湯気を見つめながら、美里は温度計を手に取った。 美里 「蔵三……お湯の温度って、そんなに気にしなきゃダメなの?」 蔵三は、少しだけあくびをしてから答えた。 蔵三 「“気にする”のと“振り回される”のは、別の話じ
1月26日読了時間: 3分


【7杯目】挽きたてが美味しい理由
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 最初のお話はこちら▶「 はじめに 」 前回のお話はこちら▶「 苦みの正体 」 蔵の猫、珈琲の時間。 7杯目 挽きたてが美味しい理由 朝の台所に、コリコリと小さな音が響いた。 美里はミルを回しながら、思わず笑ってしまう。 美里 「なんか……この時間、好きかも」 蔵三は足元で丸くなり、耳だけこちらに向けている。 蔵三 「音も香りも、珈琲の準備は五感を使うからな」 挽くと、珈琲は
1月26日読了時間: 3分


【6杯目】苦みの正体
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 酸味は、悪者なのか? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 6杯目 苦味の正体 夜が静かに更けていく。時計の音だけが、部屋に残っていた。 美里は、少し深煎りの豆を手に取りながら、ためらうように口を開いた。 美里 「蔵三……苦味ってさ、なんで“珈琲らしい”って言われるんだろう」 蔵三は、窓の外を見たまま答えた。 蔵三 「それはな、珈琲が“大人の飲み物”と呼ばれてき
1月26日読了時間: 3分


【5杯目】酸味は、悪者なのか?
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 浅煎り・深煎りって、何が違うの? 」 蔵の猫、珈琲の時間。 5杯目 酸味は、悪者なのか? 夕方、仕事から戻った美里は、 少しだけ疲れた顔でソファに腰を下ろした。 いつものように珈琲を淹れようとして、 ふと、前に買った浅煎りの豆に手が止まる。 美里 「蔵三…… 正直に聞いていい?」 蔵三は、窓辺で丸くなったまま、片目だけ開けた。 蔵三 「うむ。 珈
1月20日読了時間: 3分


【4杯目】浅煎り・深煎りって、何が違うの?
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 焙煎すると、なぜ香りが出るのか 」 蔵の猫、珈琲の時間。 4杯目 浅煎り・深煎りって、何が違うの? 休日の朝。 カーテン越しの光が、いつもよりやわらかかった。 美里はテーブルの上に並んだ珈琲豆の袋を見比べながら、 小さく首をかしげた。 美里 「蔵三、この前から気になってたんだけど…… 浅煎りとか深煎りって、 正直、どう違うのか分からなくて」 蔵三は、
1月11日読了時間: 3分


【3杯目】焙煎すると、なぜ香りが出るのか
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 アラビカとロブスタ、味の違い 」 蔵の猫、珈琲の時間。 3杯目 焙煎すると、なぜ香りが出るのか 焙煎すると、なぜ香りが出るのか 朝の台所に、かすかな焦げたような、甘いような匂いが残っていた。 昨夜淹れた珈琲の余韻だ。 美里はケトルを火にかけながら、ふと思い出したように口を開いた。 美里 「ねえ蔵三。 この香りってさ…… どうして豆を焼くだけで、こ
1月11日読了時間: 4分


【2杯目】アラビカとロブスタ、味の違い
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 珈琲豆ってそもそも何? 」 2杯目 アラビカとロブスタ、味の違い 朝の空気が、少しだけ軽く感じられた。美里はカップを両手で包みながら、窓の外を眺めていた。 美里 「蔵三、この前教えてもらった“珈琲豆は種”って話、なんだかずっと頭に残ってるんだよね」 蔵三 「ほう、それは良い兆しである。珈琲は、気になり始めた時から、もう始まっておるのじゃ」...
1月2日読了時間: 4分


【1杯目】蔵の猫と、珈琲の時間。
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 前回のお話はこちら▶「 はじめに 」 1杯目 珈琲豆ってそもそも何? ― アラビカとロブスタの違い ― 美里「ねえ蔵三、前から気になってたんだけど……“珈琲豆”って言うけど、あれって本当に豆なの?」 蔵三「ふふ、良いところに気がついたのじゃな。実は珈琲豆は“豆”ではなく、珈琲の実の中に入っている種なのである」 美里「えっ、そうなの!?じゃあ、どんな実なの?」 蔵三「珈琲の木になる
1月1日読了時間: 3分


蔵の猫と、珈琲の時間。― はじめに ―
■ 蔵三(くらぞう) 江戸時代の終わり頃、栃木県栃木市で生まれた喋る猫。明治の文明開化の折に初めて珈琲を口にし、その美味しさに感激して喋れるようになった。それ以来、珈琲の魅力に取り憑かれ、豆・焙煎・淹れ方まで何でも知っている。落ち着いた古風な口調で、珈琲のことを優しく教えてくれる。 ■ 美里(みさと) 栃木市に住む20代のOL。仕事に少し疲れ気味だったある日、喋る猫の蔵三と出会い、珈琲の美味しさと、珈琲のある暮らしを知る。一杯の珈琲で気持ちが前向きになることを実感し、今では「もっと珈琲を知りたい」と蔵三に教わっている。 Illustration by 小日向真芽 様 はじめに 仕事に追われて、気づけば一日があっという間に終わってしまう。 そんな毎日の中で、ふと立ち止まる時間はありますか。 栃木市で暮らす美里も、少し前まではそうでした。 忙しさに追われ、気持ちに余裕がなくなっていたある日、 彼女は一匹の不思議な猫と出会います。 江戸時代の終わりに生まれ、明治の頃に珈琲の美味しさに目覚めた喋る猫―― 蔵三 。 「珈琲は、ただの飲み物ではないのじゃよ
1月1日読了時間: 2分
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