店主の独り言:オリジナルブレンドづくりと、チョコラテアート体験の準備。
- 店主・油屋

- 12月3日
- 読了時間: 5分
こんにちは。蔵の豆の油屋です。
最近めっきり朝晩が冷えてきて、「あぁ、もうすぐ冬だなぁ」なんて思うことが増えました。こういう季節になると、コーヒーの香りがいつもより甘く感じるの、私だけでしょうか。
さて、そんな冬の入り口で、またコーヒー教室をやらせていただきました。
お相手は、「栃木市社会福祉協議会」様。職員同士の交流を目的に、勤務後にお集まりいただいて、2週にわたってコーヒー教室イベントを開催いたしました。
今回はちょっと贅沢な二本立て。ひとつは「オリジナルブレンドづくり体験」、もうひとつが「チョコラテアート体験」です。
どちらも、私の中では「コーヒーって楽しいよね」をまっすぐ形にした内容。…とはいえ、準備していると毎回思うんです。「これ、みんな本当に楽しんでくれるかな」って。何回やっても、そのドキドキは変わりません。
オリジナルブレンドは、味の「チームづくり」
まずはオリジナルブレンドづくり。これは私の中では教室の“本丸”みたいな内容です。
ブレンドって聞くと、なんだか専門的に感じるかもしれないけど、やっていることはすごくシンプルで、料理の味つけに近い。
「華やかな香りを足したい」「もう少し甘みがほしい」「あと一歩、コクを出したい」
そんなふうに、豆の個性を組み合わせて、自分の理想の味を作っていく。正解も不正解もありません。“自分が好きだと思う味”が、その人にとっての正解です。
今回用意する豆は、産地の個性が分かりやすい4種類。エチオピア、コロンビア、ブラジル、マンデリン。ざっくり言うと、
エチオピア=華やかで自由なムードメーカー
コロンビア=誰とでも仲良くできる調整役
ブラジル=安定感のある縁の下の力持ち
マンデリン=頼れるベテラン上司
…みたいなキャラ設定で紹介する予定です。企業さん相手の会なので「職場にこういう人いませんか?」って話しながら進めると、だいたい皆さん笑ってくれるんですよね。コーヒーの説明が“難しい話”じゃなくて、“自分ごと”になる瞬間が好きです。
ブレンドづくりで一番楽しいのは、「自分で作った豆を、自分で淹れて飲む瞬間」。
同じ材料を渡しても、配合比率やその人の感じ方で、出来上がる一杯が全然違う。そこに、その人の“好み”とか“気分”とか“性格”がふっと出るんです。
あれは毎回ちょっと感動します。「コーヒーって、飲み物なんだけど、どこか鏡みたいだな」って。
今回の参加者の中でも「私、あなたのブレンドの方が好きだったわ。」「○○さんの淹れた珈琲、美味しいわね!」なんていう声も聞こえてきて、私までほっこりいたしました。
チョコラテアートは、冬の魔法
そしてもうひとつがチョコラテアート。クリスマスも近いし、おうちで簡単にできる“かわいい一杯”を提案したくて、この内容にしました。
ラテアートって聞くと、どうしても「難しそう」「器用じゃないと無理そう」ってイメージがあると思うんですよね。私も最初はそうでした。ミルクの泡の状態とか、注ぐスピードとか、微妙な角度とか。正直、練習しても練習しても「なんか違う…」の連続。
でも、チョコラテアートはそこがいい。泡が多少ゆるくても、線がちょっと曲がっても、チョコが全部まとめて「かわいい」にしてくれる。しかも、失敗しても美味しい(笑)。これはもう、最高の体験じゃないかと。
ただ、今回は参加人数が多めで、器具がどうしても足りない。そこで二班に分けてやることにしました。
ひとつはチョコラテ班。こっちは、フォームドミルクを自分で作るところからやってもらいます。ミルクがふわっと泡立つ瞬間って、なんかテンション上がるんですよね。「え、これ家でもできるの?」って顔をみんながするのを見ると、私も嬉しくなります。その泡の上にチョコソースでハートとか星とか、雪だるまとか。描くというより「遊ぶ」感覚でやってもらえたらいいなと思っています。
もうひとつがカフェ・コン・レチェ班。こっちはフォームドミルクはこっちで用意して、蜂蜜→ミルク→コーヒーの三層を自分で作ってもらうやつです。ゆっくり注いで、きれいに層になった瞬間の「おぉ〜」って声、あれがたまらない。コーヒーって、飲むものだけど、見た目でもちゃんと楽しいんですよね。
器具が少なくても全員がしっかり主役になれるように、“描く楽しみ”と“重ねる楽しみ”で二つに分けました。
結局、いちばん届けたいのは「時間」
準備をしながら思うのは、こういう体験って「上手に作ること」が目的じゃなくて、“自分で作った一杯で、ほっとする時間を持つこと”が大事なんだなってことです。
コーヒーは、忙しい日々の中でたった数分でも気持ちを整えてくれる力がある。しかもそれが「自分で作った」「誰かと笑いながら作った」一杯なら、なおさら。
チョコで手がベタベタになった人もいるし、層が混ざっちゃって「まぁいっか!」って笑う人もいました。ブレンドでは、マンデリン多めで“上司が強すぎるチーム”ができたかもしれない(笑)。でもそれでいい。むしろ、そういう空気がいい。
クリスマスって、なにか特別なことをしなくても、いつもの飲み物がちょっと可愛くなったり、ちょっと自分好みになったりするだけで、心が温かくなる季節だと思うんです。
おうちのマグカップで、チョコでちょいっと描いたラテ。自分の比率で作った“マイブレンド”。それだけで、日常の景色が少し変わる。
当日、みんなのカップやブレンドがテーブルに並ぶのを想像しながら、いつもワクワクしつつ準備しています。さて、またのイベント開催に向けて、準備を整えて参りましょう。
それではまた。
蔵の豆 油屋



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