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【#聴く珈琲_秋】7月の感想


皆さま、このたびもたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

今回から新たに始まった #聴く珈琲_秋

秋のテーマは「香り」です。香りは目には見えませんが、一瞬で記憶を呼び起こし、人との時間や季節の景色まで思い出させてくれる、不思議な力を持っています。

そんな「香り」を、それぞれの感性で描いてくださった作品を、一つひとつ大切に読ませていただきました。 それでは、第1回目の結果発表です。


▶7月の結果はコチラ「【#聴く珈琲_夏】7月


〇最優秀賞

「香りが今日を連れてくる」  作:要よよ 様

「香り」が持つ力を、過去と現在、そして未来へとつなぐ一本の物語として見事に描き切った作品でした。 珈琲の香りをきっかけに、若かった頃の夫婦の時間が静かによみがえり、今という穏やかな日常へと自然につながっていく構成は非常に完成度が高く、最後にタイトルを回収する一文まで含めて美しくまとまっています。

読者それぞれにも「自分にもこんな香りの記憶がある」と思わせる普遍性があり、何気ない日常の尊さを描き切った点が印象的でした。今回のテーマ「香り」を最も自然に物語へ溶け込ませ、一杯の珈琲が人生をやさしく照らしてくれるような余韻を残してくれたことから、最優秀賞とさせていただきました。



〇油屋賞

きっかけ」  作:ベン 様

珈琲との出会いが、そのまま人生の転機になっていく物語でした。学生時代の何気ない会話から始まり、やがて焙煎士となる現在へと続く流れは、とても説得力があり、「好き」が人生を動かしていく様子が自然に伝わってきます。作中に登場する軽快な掛け合いも作品の魅力で、読んでいるこちらまで笑顔になる場面がありながら、最後には珈琲豆を前に過去を思い返す静かな締めくくりが心に残りました。珈琲そのものへの愛情、香りへの想い、そして焙煎という仕事への憧れまでが詰まった一作であり、「油屋珈琲焙煎店らしい作品」と感じたことから、今回の油屋賞とさせていただきました。



〇優秀賞(順不同)

「無音の汀」  作:Hiroki 様

「私には、動くための足がない。」という印象的な書き出しから始まり、読み進めるにつれて語り手の正体が少しずつ見えてくる構成がとても巧みでした。秋の冷たい空気、落ち葉を踏む音、そして温かな珈琲の香りが静かに溶け合い、読者を作品の世界へ引き込んでいきます。香りは単なる描写ではなく、大切な人との思い出や再会への願いを運ぶ存在として描かれており、読後には優しく切ない余韻が残りました。静かな文章だからこそ感情が深く伝わる、秋らしい一作でした。


ひだまりの香り」  作:細雪

珈琲の香りが記憶を呼び覚まし、現在と過去をやさしく結びつけていく作品でした。一杯の珈琲から広がる情景や人との思い出が丁寧に積み重ねられており、読み終えたあとも穏やかな温かさが心に残ります。「香りは記憶とともに残り続けるもの」というテーマが自然に表現されており、日常の中にある小さな幸せを改めて感じさせてくれる作品でした。 秋の始まりにふさわしい、優しく包み込むような一作でした。



おわりに

秋テーマ最初の回となった今回は、「香り」という目には見えないものを題材にしながらも、それぞれがまったく異なる世界観で表現してくださいました。

特に印象的だったのは、香りそのものを描くのではなく、「香りが運んでくる記憶」「香りが結びつける人との時間」「香りが人生を少しだけ前向きにしてくれる瞬間」を描いた作品が多かったことです。珈琲の香りは、一杯を味わう時間だけでなく、その人の人生や季節、そして誰かとの思い出まで包み込んでくれるものなのだと、改めて感じさせていただきました。


今回もたくさんの素敵な作品をご応募いただき、本当にありがとうございました。

惜しくも受賞とはならなかった作品の中にも、心に残る表現や魅力的な世界観が数多くあり、最後まで選考は悩み続けました。

#聴く珈琲_秋は、まだ始まったばかりです。次回も皆さまそれぞれの「秋」と「珈琲」が織りなす物語に出会えることを、心より楽しみにしております。


また次回も、珈琲のある時間をご一緒できましたら幸いです。



サポートメンバー:Yuki様

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