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『コーヒーでめぐる世界史』のススメ
一杯の飲みものが、世界を動かした。 コーヒーは嗜好品です。 しかし本書を読み終えたとき、その認識は静かに覆されます。 増田ユリヤ著『コーヒーでめぐる世界史』は、コーヒーを軸にしながら、宗教・革命・戦争・交易・植民地支配といった世界史の大きな流れを描き出す一冊です。 単なる文化史ではなく、「コーヒーが歴史を動かした」と言っても過言ではない事実が、丁寧な取材と平易な語り口で綴られています。 カフェが生んだ“議論の空間” 特に印象的なのは、カフェという場所の役割です。 17〜18世紀ヨーロッパに広がったコーヒーハウスは、単なる飲食店ではありませんでした。 新聞が置かれ、知識人や商人が集い、議論が交わされる「公共空間」。 フランス革命前夜、イギリスの市民社会の成熟、アメリカ独立へとつながる思想の広がり——そこには常に、覚醒を促す黒い飲みものがあったのです。 アルコールではなくコーヒーだった、という点が象徴的ですね。 酔わせるのではなく、目を覚まさせる。 感情を高ぶらせるのではなく、思考を研ぎ澄ませる。 コーヒーは「理性の飲みもの」として、近代社会の土台
7 日前読了時間: 3分


『理由がわかれば、もっとおいしい コーヒーを楽しむ教科書』のススメ
この本を一言で表すなら、「コーヒーを“正しく”ではなく、“楽しく”理解させてくれる教科書」だと思いました。 コーヒーの本というと、 ・専門用語が多くて難しい ・レシピ通りにやらないとダメな気がする ・読んでも結局「正解」が分からない そんな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。ですが本書は、その真逆をいきます。 「なぜ?」を丁寧にほどいてくれる構成 この本のいちばんの魅力は、 抽出方法や道具の説明よりも先に、“理由”を教えてくれること です。 なぜ湯温で味が変わるのかなぜ同じ豆でも淹れる人によって味が違うのか なぜ「失敗した」と感じる一杯が生まれるのか それらを、イラストと平易な言葉で、まるで隣で話してくれているかのように解説してくれます。 「こうしなさい」ではなく、「こういう仕組みだから、こう感じるんですよ」という語り口なので、読み手に余白を残してくれるのも印象的でした。 初心者にも、経験者にもやさしい 内容はとてもやさしいですが、決して浅くはありません。むしろ、日々コーヒーを淹れている人ほど「なるほど、だからか」と腑に落ちる場面が多い
2025年12月31日読了時間: 2分
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