#聴く珈琲 ブレンド ボイスドラマコンテスト2026 一次審査講評
「声から生まれる、一杯の物語。」
そんな言葉から始まった「#聴く珈琲 ブレンド ボイスドラマコンテスト2026」。
このたび、一次審査の結果を発表いたしました。
今回ご応募いただいた作品は、全58作品。
企画を立ち上げた当初、これほど多くの作品をお寄せいただけるとは想像していませんでした。
まずは、このコンテストを見つけてくださったこと。そして、限られた応募期間の中で作品を考え、仲間を集め、声を収録し、編集し、ひとつの「物語」として届けてくださったこと。 ご参加くださったすべての皆さまに、主催者として心より御礼申し上げます。
58作品から、11作品へ 一次審査を通過したのは、11作品です。
一次審査は、油屋珈琲焙煎店 蔵の豆 店主・油屋が、すべての応募作品を聴いたうえで選考いたしました。
本当に、最後の最後まで悩みました。
「この作品を残したい。でも、こちらの作品も捨てがたい」 そんなことを何度繰り返したか分かりません。
単純に音声作品として「上手い」「面白い」という基準だけで順位をつけられる企画ではありません。
なぜなら、このコンテストの先には「作品を珈琲にする」という、もうひとつのゴールがあるからです。
物語を聴き、その余韻から香りを考える。
登場人物の温度から焙煎度を想像する。 物語の苦さ、甘さ、酸味、後味を、一杯の珈琲へ置き換えていく。
そのため、最後まで「ボイスドラマとしての完成度」と「#聴く珈琲だからこそ選びたい作品」の間を行き来しながら、11作品を選びました。
一次審査で大切にしたこと 今回、特に重視したのは次の5点です。
①収録音声の品質
声が明瞭に聞き取れるか、ノイズや音量差などが作品への没入を妨げていないか。
②物語からオリジナルブレンドをイメージできるか
これは本コンテストならではの大きな審査軸です。物語を聴き終えたとき、「これはこんな香りの珈琲にしたい」「こんな余韻を残す一杯にしたい」と、味や香りのイメージが自然と浮かんでくる作品かどうかを大切にしました。
③ストーリーの新規性
題材そのものだけでなく、切り口や構成、登場人物の描き方などを含め、「この作品だからこそ味わえるもの」があるかを見ています。
④音声作品としての演出力
台詞、間、演技、音楽、効果音などが、それぞれ単独で優れているかだけではなく、それらがひとつの作品として機能しているか。映像のない「音」だからこそ生まれる情景や空気感も重視しました。
⑤聴き終えたあとに残る余韻
物語が終わった瞬間にすべてが消えてしまうのではなく、その後もしばらく登場人物や情景について考えたくなるか。そして、「もう一度聴きたい」と思える何かが残るか。この点も大切にしています。
なお、店主の油屋自身もこれまで音声編集や台本制作に携わり、現在は「HoneyProduction」という創作チームの運営代表を務めています。
そのため今回の審査でも、知らず知らずのうちに「台本としてどう作られているか」「この音はどう処理されているのか」「演者の芝居をどう活かしているのか」といった、制作側からの視点が入っていたと思います。
ただし、それだけで作品を判断したわけではありません。
最後に大切にしたのは、とてもシンプルなことでした。
この物語を、もう一度聴きたいか。
そして、この物語を一杯の珈琲にしてみたいか。
そこは「珈琲屋が主催するボイスドラマコンテスト」として、最後まで大切にした部分です。
●「音」について
今回、58作品を聴かせていただく中で、ひとつ今後の制作に向けてお伝えしておきたいことがあります。
それが、整音です。どんなに素晴らしいお芝居や物語であっても、演者ごとの音量差が大きかったり、ノイズや反響音が目立ったりすると、どうしても物語への没入が途切れてしまいます。
反対に、決して派手な演出ではなくても、声の距離感や音量が丁寧に整えられている作品は、それだけで安心して物語の世界へ入っていくことができます。
一次審査を通過された皆さまには、これから本編制作があります。
ぜひ「演技」「脚本」だけでなく、それをリスナーへ届ける最後の工程としての整音にも、もう一段力を入れていただけたらと思います。
今回の提出音源が完成形ではありません。
ここから本編がどれだけ化けるのか。それも、今から楽しみにしています。
●少しだけ、心残りだったこと
今回、提出いただいた音源の中には、おそらく応募予定のものとは異なるファイルが提出されてしまったのではないか、と思われるものもありました。
運営側では、提出されたデータを正式な応募作品として審査するほかありません。
もしかすると、本来届けたかった作品が別にあったのかもしれません。そう考えると、とても心残りです。
今後こうした企画へ参加される際にも、ぜひ送信前に一度だけ、提出ファイルが正しいものになっているか確認してみてください。
作品を作るために費やした時間や想いが、ほんの小さな提出ミスによって届かなくなってしまうことほど、もったいないことはありません。
●この企画を始めて、何より嬉しかったこと
募集期間中、Discordなどを通して、たくさんの方が出会っていく様子を目にしました。
「出演してくださる方を探しています」 「編集を担当できる方はいませんか」 「一緒に作品を作りませんか」
そんな呼びかけから、これまで接点のなかった人同士がつながり、チームが生まれ、ひとつの作品を作り始める。
実は、それこそがこの企画を始めるときに見てみたかった光景のひとつでした。
もちろん、素晴らしい作品が生まれることも嬉しい。受賞作品から美味しいブレンドを作ることも、今から楽しみで仕方ありません。
でも、それと同じくらい、 「この企画がなければ出会わなかった人たちが、この企画をきっかけにひとつの作品を作った」 ということが、主催者としてとても嬉しかったです。
今回、一次審査を通過したかどうかにかかわらず、その出会いから生まれた作品や関係は残ります。
それは賞とは別の、このコンテストから生まれたひとつの成果なのではないかと思っています。
ここから、次の「#聴く珈琲」が始まります。
一次審査は、あくまで最初の扉です。
一次審査を通過した11作品は、これから本編制作期間へ入ります。
そして、その先には二次審査が待っています。
二次審査では、主催者だけで結果を決めることはありません。審査員による審査に加え、一般リスナーの皆さまによる投票も行います。
ここからは、作り手だけのコンテストではなく、聴き手の皆さまにも参加していただくコンテストになります。
どの物語に心を動かされたのか。どの作品をもう一度聴きたいと思ったのか。そして、 「この物語の珈琲を飲んでみたい」 と思ったのは、どの作品だったのか。
ぜひ実際に作品を聴いて、皆さま自身の一票を届けてください。
そして制作に進む11作品の皆さま。一次審査通過、本当におめでとうございます。
ここから先は、予告音源から想像していた世界が、一本のボイスドラマとして形になっていきます。今回の審査で感じた魅力をさらに伸ばしてくる作品もあれば、想像していなかった方向へ大きく化ける作品もあるでしょう。
審査した側としても、次に聴くときには「一次審査の印象を裏切ってほしい」とさえ思っています。
良い意味で、思いきり裏切ってください。
11の物語が、それぞれどんな音になり、どんな余韻を残し、そして最後にはどんな一杯の珈琲になるのか。ここからが、とても楽しみです。
改めまして、58作品ものご応募をいただき、本当にありがとうございました。
選考という形である以上、どうしても通過と選考外を決めなければなりません。
けれど、58作品すべてが、この企画のために届けていただいた大切な作品です。
応募してくださったすべての皆さまへ、心からの感謝を。
そして、一次審査を通過した11作品の皆さまへ。ここから、もう一杯先へ。
近日中に、代表者様へメールにて今後の流れをご連絡いたします。その際に個別の講評も添えさせていただきます。 また、今回ご参加いただいたチームの方で、講評および選考理由が知りたいという方には、XのDMまたはメールにて個別にご対応いたします。 私もいつもは挑戦者の身です。悔しい思いも嬉しい思いも、成長したいという気持ちも痛いほどわかります。ぜひお気軽にご連絡ください。
「#聴く珈琲 ブレンド ボイスドラマコンテスト2026」は、まだ始まったばかりです。
これからも、どうぞ最後までお楽しみください。



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